今回は、電気のお話です。
先月『東京電力は家庭用電力料金の「規制料金」の値上げを、経済産業省に申請』というニュースが入ってきました。
寒くなる冬は毎年電気料金も上がりますが、今年の1月の請求を見て驚いているご家庭も多いと思います
日本の電力事情は現在どうなっているのでしょうか。
一般家庭で主に利用されている電気料金(低圧・規制部門)について、各電力会社の値上げ時期と値上げ率は次の通りです。
電力会社名 | 値上げ時期 | 値上げ率 |
東北電力 | 2023年4月 | 32.94% |
東京電力 | 2023年6月 | 29.31% |
北陸電力 | 2023年4月 | 45.84% |
中国電力 | 2023年4月 | 31.33% |
四国電力 | 2023年4月 | 28.08% |
沖縄電力 | 2023年4月 | 39.03% |
北海道電力もすでに規制料金の値上げを発表しており、大手では、関西電力、中部電力、九州電力の3社以外は、すべて3~4割程度の値上げとなります。
再稼働済みの原発が5基ある関西電力、再生可能エネルギーの導入が国内でももっとも進んでいる九州電力は燃料の値上げの影響をある程度は抑えることができます。中部電力は、国の認可が必要な『規制料金』ではなく、2016年の電力小売自由化以降に導入された『自由料金』の値上げで対応するようです
現在の電気料金の高騰はなぜ起こっているのでしょうか。
要因としては主に
・天然ガス(LNG)と石炭の価格高騰による燃料費調整額の値上がり
・国内の電力供給力不足(原発の停止・火力発電の縮小・再エネの導入拡大による供給量の不安定)
・ 再エネ賦課金の値上がり
といったことが挙げられます。
ここで、電気料金はどのように決まるのかを見ていきましょう。
【電気料金はどのようにきまる?】
家庭の電気料金=基本料金+電気量料金+再エネ賦課金
で毎月の電気料金が決まります。
電気量料金は使用した電力量に応じて発生する料金に燃料調整額(燃料費調整単価×1か月の使用電力量)をあわせたもので、それに、基本料金と再エネ賦課金を合わせたものが毎月の電気料金となります。
燃料調整額は火力発電の燃料である原油やLNG(液化天然ガス)および石炭の輸入価格の変動を、私たち需要家の電気料金に毎月ごとに反映さるための制度です。
現在日本では、電気をつくるには石炭・石油・天然ガス(LNG)の化石燃料による火力発電が7割を占めています。
次のグラフのように日本はエネルギーの自給率が低い国であり、燃料のほとんどを輸入に頼っています。
出典:IEA「World Energy Balances 2020」の2019年推計値、日本のみ資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」の2019年度確報値。※表内の順位はOECD36カ国中の順位
そのため輸入先となっている国の社会情勢や国家間の関係性などが安定していないと、燃料である一次エネルギーの供給に影響を与えます。また、為替の影響でも燃料価格は不安定になり、燃料調整費が上昇する原因となります。
(参考)大手電力10社の燃料費調整額 単価の推移表(13ヶ月分)
【規制料金と自由料金】
家庭で使用する低圧の電気料金のプランには「規制料金」と「自由料金」の2種類があります。
『規制料金』とは従量電灯B・C 低圧電力といった2016年4月より前から提供されている従量電灯制プランで、基本料金や電力量料金から関連サービスの内容まで国の規制によって細かく定められています。
電気料金を値上げする場合、電力会社は経済産業大臣の認可を受ける必要があります。
規制料金では燃料費調整額は上限が定められており、燃料価格が高騰し燃料費調整額の上限を超えた場合、超過分は電力会社が負担していました。
ところが2020年以降火力発電に必要な燃料の価格が高騰しており、2021年9月から燃料調整費は値上がりが続き、とうとう昨年からはどの電力会社も燃料費調整額の上限に到達し赤字は増えるばかりとなっています。そのため4月以降各電力会社は安定重視であった規制料金の値上げに踏み切ったわけです。
規制料金に対し『自由料金』とは2016年4月1日以降から始まった電力自由化以降に誕生した自由料金プランで、電力会社側でプランの内容、単価などを任意で変更・設定できるのが特徴です。例えば、電気とガス、電気と携帯電話などの組み合わせによるセット割引や、ポイントサービス、さらには家庭の省エネ診断サービスなどが登場しています。利用状況に応じた割安なプランを選べることから自由料金の契約が増え、経済産業省によると大手電力会社が家庭などに向けて販売した電力量のうち、自由料金の割合は2022年3月に56.9%と増え続けました。しかし2022年9月時点で51.7%と後減少傾向にあります。
※電力・ガス取引監視等委員会12月21日公表電力の取引状況(電力取引報結果)より
この現象は、自由料金には燃料費調整額の上限設定はないため、燃料価格の高騰や下落に合わせて大きく変動しやすいことが影響しています。自由料金の上限設定を設けている電力会社も近年の電気料金の値上がりを受けて、2022年12月分以降の電気料金からはすべての電力会社が上限設定を撤廃しています。そのため、電力自由化によって本来割安になるはずだった自由料金のプランが規制料金のプランを上回る異例の事態が起こっているからといえるでしょう。
2023年2月からは政府が行う政策「激変緩和措置」によって国から電気料金に対する補助が出ます。
具体的には2023年1月または2月使用分から9月使用分まで、燃料調整額に対して低圧では「7円/kWh分」を燃料調整額から値引きを行うことで、実質的に電気料金の値引きを行うというものです。
これにより一定期間は電気料金の負担が落ち着くものの4月以降は各電力会社の値上げに加え、輸入に頼る部分が大きい日本の電力構成が社会情勢や天候などの影響を受けやすいものであることをを考えると、電気料金の上昇緩和は一時的なものと言えるでしょう。
【再エネ賦課金】
日本では再エネ普及のために、太陽光発電などで創った電気を「優遇された価格」で買い取るFIT(固定価格買取制度)が実施されます。この「優遇された価格」にるするために上乗せされた分の金額は電気利用者が「再エネ賦課金」として電気料金に加えて支払うしくみになっています。
2012年~2015年にかけて、FIT(固定価格買取制度)の影響で産業用太陽光発電所が増加し、2016年以降の再エネ賦課金 も大きく値上がりすることになりました。
この 再エネ賦課金の値上がりも、電気料金高騰の一因になっています。
FIT導入後の賦課金の推移
【太陽光】
今や私たちの生活の中で照明から冷暖房・料理においても電気の使用は無くてはならないものになり、省エネ家電が増えたとはいえ電気の使用量は年々増加しています。
世帯当たりのエネルギー消費原単位と用途別エネルギー消費の推移
電気の契約プランを見直す、節電家電に変えていくなど家庭での日々の節電の意識は大切です。
更に電気自体を自給するという考えも高まってきています。
再生エネルギーの中で太陽光発電は、半導体に光があたると電気が発生する現象を利用して太陽光から電力を生み出す方法です。日差しがあれば発電できるので場所を選ばないこと、大規模な建造物を必要としないことなどから、一般家庭でも導入しやすいシステムといえます。
太陽光発電は
1.発電時に二酸化炭素を排出しない
2.発電した電気を自宅で使用する「自家消費」により電気代が安くなる
3.発電して使わない分の電気を売ることで「売電収入」を得ることができる
4.停電時でも太陽光発電で作った電気を使用できる
といったメリットがあります
太陽光発電システムを導入すると、昼間の消費電力のほとんどを太陽光発電で生み出すことができるので、電気料金は大きく削減できます。
ただし、太陽光発電は太陽が出ている日中しか発電できないので、悪天候時や夜間にはその恩恵を受けることができません。
また卒FITを迎えた方は売電収入が減少します。
【太陽光発電+蓄電池】
今後太陽光発電の運用を考える際、プラスして蓄電池の導入を検討される方もいらっしゃると思います。蓄電池は、災害時の非常用電源となるほか、太陽光発電による電気を蓄電し、自家消費分の電力利用量を増やすことで経済メリットの効果を期待することもできます。
蓄電池があれば、日中に発電した電気を貯めて夜間に使用できます。
次回は太陽光や蓄電池についてみていきましょう
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